天壇斗誕生秘話には、
続編ともいうべき話があるのです。

メッセージはいつも突然にやってきます。時にそれは雷のようであったり、思い切り後ろからどつかれるようであったり、はたまた何かの符合にハッと気付くだったりしますが、たいていは微かな「フト」思うという形で訪れます。

ある方が『「フト思う」は神心よ』と教えて下さいました。それからは素直にその「フト思う」に従っていきたいと思っているのです。初めて自分自身のために天壇斗を創って、自分の首からかけた時、ゴミ屋敷の如くグチャグチャに足の踏み場もない程とっ散らかった状態だった頭と心の中で、ゴミが一つ一つスー…っと浮かび上がってどこかに消えていく、そしてすっかりゴミがなくなっていくハッキリとした体感がありました。その変化が嬉しくて有り難い、それだけだったのですが、それから程なくしたある日の朝、歯を磨いていた時に、ある人の姿が、ふいに浮かびました。

自分が知る限り、一番天壇斗を必要としていると思える人でした。天壇斗が完成したその1ヶ月以内に、その人と奥様に逢う予定がありました。それは随分前からの約束で、計られたかのようなこのタイミングに、これはチャンスだ、と。思い立ったら即行動!すぐに手元にあった(元々いくつか購入していたんですね)ペンダントヘッドに伊邪那岐大神の文字を彫り、三個の天壇斗を完成させ、その天壇斗を持って約束の地に向かいました。

果たして、天壇斗がその方に効果があるのかどうかも分かりません。自分の判断で、お渡ししてもよいものか、ハッキリとした確信があったわけでもありません。しかし、兎にも角にもお渡ししなくては、と思ったのです。

大津の海、琵琶湖で静かな波の音を聞きながら、ご夫妻と話している中で、自分が首にいつもかけている天壇斗を試しに身に付けてもらうことにしました。

すると、彼はじっと胸の上から天壇斗を押さえて『これは、凄いです。』、そうつぶやきました。それからも、ずーっと胸を押さえて、何かを感じているようでした。もともと寡黙な方なので、多くは語られませんが、明らかに天壇斗の効果を感じているように見受けられたので、お二人に渡すために、この天壇斗を持ってきていることをお伝えしました。

そこで、天壇斗をじっくり選んでいただくためにどこかでお茶しましょう、ということになり、グルメで知られる奥様おすすめの茶房に向かいました。古民家風のその茶房は、木や紙の温もりを感じさせる内装や調度品が設られていて、気持ちが穏やかに落ち着いていく空間でした。N夫人のこだわりを十分に満たす、素材の良さが一目で判る和スイーツをそれぞれに注文しました。今になって、写真を撮っておかなかったことが悔やまれます。愛らしい姿の和パフェを、まずはいただき、それから天壇斗を二人の前に並べました。

彼らの前に3つ並べた天壇斗の、右端のものだけがハッキリと明るく光っていました。

私は、”これだな” そう思って見ていました。案の定、彼は迷うことなく、その光った天壇斗を手にしました。『ああ、やっぱり、それだよね。その天壇斗だけ光っていたもんね』と言うと、彼ら(ご夫妻)はあっけにとられて、『えっ?光ってましたか?』と驚いた様子。二人とも光っていたことに気づいていませんでした。窓からの光が差し込んでいたわけでもないのに、確かに明るく光っていました。不思議なことがあるもんです。あの光は誰も見えてなかったということでした。

なぜなのか私には本当のところは分かりませんが、もしかしたら私だけに見せてくれた、あの天壇斗の ”心意気” だったのかもしれません。その時、この子(天壇斗)は必ずNさんのお役に立つ、そんな確信が秘かに生まれていました、ストレスと外部からの影響で心身共に疲れ切っていたその人は、天壇斗を手に握りしめて大きく大きく息を吐きました。首にかけると顔色がどんどん良くなっていきます。

“急いで天壇斗を作って良かった〜” 安堵と喜びが心を満たしていきました。その瞬間、自分自身もどんどん癒されていくのが分かりました。安堵と喜びが広がり、私はしばしその幸福感に浸っていました。

やはり、「フト思うは神心」でした。天壇斗をお渡しできて、ホッとしたのか、急にお腹が空いてきました。

 
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