ごあいさつ

“天壇斗”は私が彫っているのではない。
私を超えた大きな力が私に天壇斗を彫る力を与えてくれている。

不思議なことですが、新しい“天壇斗”の制作に携わるたびに、なぜかそんな想いが湧き上がってきます。私という小さな自我の欲望を超えた力、いわば大いなる自然の力が私を導き、そこから応援を得て私は“天壇斗”を彫らせていただいている、そんな想いがしてなりません。

ですから、心身を整え一心に“天壇斗”に向かっているときの私は、その大いなる自然のエネルギーが最適に、そして最高度に発揮されるよう、ただひたすらそのエネルギーの純粋な通り路としてあること、それだけを心がけているのです。その意味では、制作の渦中、私は嵐の中で我を失っているような有様ともいえますが、嵐が過ぎ去ったあとは必ず目の覚めるような晴天が訪れるように、新しい“天壇斗”が完成するたびに、作り手である私自身が心身ともに浄化された新しい自分との出会いを経験し、さらなる元気を得、幸せを感じております。

そして、こうして誕生した世界にたったひとつしかない“天壇斗”が、どなたかの手に渡り、何かしらのお役に立てたと知ったとき、人生の本懐を遂げたかのような喜びにいつもいつも満たされます。

苦難のときも喜びのときも皆様と共にあること、これが“天壇斗”にとっての幸福です。

どうぞ末永く、皆様の人生の伴侶としてご愛用ください。

舟 橋 初 花

 
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