天壇斗|題字のお話

 

2020年3月、和器出版から発刊された「筆跡の科学」の発刊記念祝賀会の懇親会で、偶然、筆者森岡先生のお隣の席に座るという僥倖を得た私は、懇親会のリラックスした雰囲気とアルコールの力も借りて、ずーずーしくも先生に「天壇斗の題字を書いていただけませんでしょうか」とお願いしてしまいました。

実は森岡先生とは私の父が30年以上前に大変懇意にさせていただいて、私自身も若き日の先生に引き合わせていただいたというご縁がありました。

ご快諾いただいて、暫く経って先生から「舟橋さんのこの作品に対する思い、どうしたいのか、をお聞きした上で作りたい。人によっては売上をあげたいと言われる方もいらっしゃるので」とお申し出をいただきました。

アヒルクサ文字自体にとても興味を持って下さった先生は、伊邪那岐大神の文字の生まれた経緯、なぜこの文字を作ろうと思ったのかをお話した所、瞬時に私の天壇斗への思いをご理解下さいました。

その私の思いをくんで、筆跡鑑定により、天壇斗のテーマに相応しい形をお考え下さり「何度も何度も書いたんですよ、」柔かに笑いながら森岡先生は完成した題字を見せて下さいました。

森岡先生の温かなお人柄そのままに、その上で力強く厳かな題字になりました。

 
 

森岡恒舟氏による天壇斗

 
 

▶︎森岡恒舟先生プロフィール
1933 年、広島県に生まれる。筆跡研究者。筆跡診断士。筆跡鑑定士。
東京大学文学部心理学科卒業後、書道の教師などを経て、筆跡研究の世界へ。古今の多種多様な書や著名人の自筆原稿などを元に「書かれた文字にはその人の行動傾向が象徴的に現れる」とする仮説を「人間心理」との関係から裏付ける研究に取り組む。その成果を「森岡筆跡学」として確立。日本における筆跡研究のパイオニアとして、1992 年日本初の「筆跡診断士」の資格制度を創設。以降、筆跡診断士や筆跡鑑定人の育成に貢献している。筆跡鑑定の評価も高く、2019年12月末時点での正式鑑定書作成総数473件。テレビ出演、新聞、雑誌への寄稿多数。現在、相藝会 書道教育学院学院長。日本筆跡診断士協会会長。相藝会 筆跡鑑定研究所所長。
著書に『筆相判断』光文社(1983)/『社長の筆跡学』致知出版社(1987)/『筆跡が運命を変える』角川書店 (1987) /『グラフォロ秘密』ミオシン出版(1994)/「ホントの性格が筆跡でわかる」旬報社 (1999)   ※和器出版の了承を得て同社HPより転載しています。

 

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